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Channel: retoronのパチ屋回想録
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パチンコドラマ「グッドラック」レビュー(3)

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パチンコドラマ「グッドラック」レビュー(3)
 
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過去のレビューはコチラ
第1話
第2話
 
 
第3話「駅前パチンコ戦争」(1996年7月17日放映)
 
キャスト…飛鳥鈴子(松本明子)、藤堂竜作(佐野史郎)、高原俊輔(豊原功補)、高原祐二(原田龍二)、
佐藤年男(勝村政信)、松岡恵一(金田明夫)、栗原妙子(網浜直子)、木村緑(宮地雅子)、黒部辰吉(西田健)、老婆(槇ひろ子)ほか
 
 
「人情だけで、人は付いて来ない。昔ながらのやり方では、客も従業員も離れる、そういう時代だ。」と俊輔にバッサリやられた鈴子。確かに、今の飛鳥球殿は閑古鳥が鳴き、従業員もごっそり辞めてしまった…。困った鈴子は、祐二の勧めで「パチンコ経営セミナー」の会場に足を運ぶ。そこで特別講師として登場したのは、何と元・パチプロの藤堂であった。大勢のオーナーの前で、その素人経営者ぶりを指摘された鈴子は、「バカにしないでよ!」と声を荒げて席を立つ。
 
 
とはいえ、人気店の現状が気になる鈴子は、敵情視察を兼ねて駅前の大型店に出向く。モダンで明るい内装、従業員の行き届いたサービス、客が満足する出玉…と、活気のある店内に圧倒される鈴子。試し打ちをしようと財布から百円を取り出すが、見慣れた台間玉貸機がない。そう、この大型店は、すべて「カードシステム」を導入していたのだ。飛鳥球殿とのあまりの格の違いに、愕然とする鈴子。
 
 
翌日、飛鳥球殿に一人の老婆が訪れる。しかも、百円分だけ単発打ちをしてサッサと店を出るという、怪しい素振りだ。祐二は「もしかすると、あの婆さん、とんだジグマだぜ…」と警戒する。そこへ、店を辞めてライバル店に鞍替えした松岡が来店する。事務所で帳簿を見ながら「このままでは三日と店は持たない、誰か有能な店長を雇うべきだ」とアドバイスするが、鈴子には単なる「嫌味」にしか聞こえない。「なぜ店を去ったのか」と問う鈴子に、「私にも、養うべき家族がありますから…」と語る松岡。
 
 
一方、再開発を手掛ける黒部興産サイドも、焦りを感じていた。すんなり店と土地を譲り渡さない飛鳥球殿に、社長の黒部辰吉は相当イラついている。交渉難航の言い訳をする俊輔にグラスの水をかけ、「あそこの開発が遅れたら、ウチは潰れる。社運が掛かってるんだ」とハッパをかける黒部。追い込まれた俊輔は、鈴子に一つの勝負を持ちかける。それは、「明日の開店後一時間以内に、飛鳥球殿に客が一人も来なければ、店を買い取らせて貰う。逆に一人でも客が来れば、黒部興産は手を引く」というものだった。
 
 
「幾らなんでも、一人くらいは客が来るだろう…」と踏んだ鈴子は、俊輔の勝負を受ける。そんな中、店内でひと騒動が起こる。常連の八百屋の大将が打っている台を、この間の老婆が奪い取ろうとしているのだ。「これは俺の台だ、別の台を打てばいいだろう!」「お願い、この台じゃなきゃダメなの。」と揉める二人。あまりのしつこさに、八百屋の大将は「もう、こんな店には来ねえ!」と、腹を立て店を出る。老婆の「奇行」を見かねた鈴子は、疫病神のような老婆を「出入り禁止」にする。
 
 
さて、一見不利に思える勝負を挑んだ俊輔だったが、実は勝算があった。彼は、駅前の大型店の全台に裏ロムを仕込み、ほとんどの台が朝一から100回転以内に当る「モーニング」を仕掛けたのだ。その噂は客にも伝わり、明日は開店前から全ての客が大型店に並ぶことが確実となった。卑怯なカラクリを知った弟の祐二は、「どこまで汚いヤツなんだ…」と、計算高い兄に怒りを隠せない。
 
 
勝負当日、予想通り飛鳥球殿には一人も客が来ない。前日に鈴子が駅前で必死に配ったビラも、全く効果なしだ。一方、駅前の大型店は、開店前からモーニング狙いの大行列が出来ていた。落胆する鈴子たちのもとに、俊輔が現れる。「情けで店に来る客はいない。1時間待っても無駄だ」と、自信たっぷりの様子だ。
 
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        代ゼミの前で必死に客寄せのビラを配る鈴子。このロケに立ち会えた人は幸運でしたな。
 
 
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           「朝から全台モーニング」の噂に、開店前から大行列を作るフレ○コの客たち。
 
 
そこへ、カウンターレディの緑が「お客が来たよ!」と鈴子に告げる。「そんな馬鹿な…」と、計算外の事態に驚く俊輔。思わぬ来客に大喜びの鈴子達だったが、何とやって来たのは、鈴子が出入り禁止にした老婆だった。店員達は、大歓迎で老婆を招き入れるが、鈴子だけは納得しない。「この人は、自分が出入り禁止にした。だから客とは認められない!」と、この期に及んで意地を張り、老婆を追い返そうとする。そこへ松岡が姿を現し、鈴子に事の真相を告げる。
 
 
聞けば、老婆はジグマやプロではなく、実は、飛鳥球殿の古い常連の奥さんだった。その常連が死んだ時に、先代オーナーの光太郎が厚意で葬式を出した事があった。客思いの光太郎に感謝した老婆は、毎年命日の時期が来ると、旦那が好きだった番号の台で、供養代わりに百円だけ玉を弾いていたのだった。
 
 
先代である父の篤い人情を改めて知った鈴子は、自分の浅はかな思い込みを深く反省する。老婆に「お婆ちゃんは、パチンコは勝つ為にするの?」と問いかけると、老婆は「いや、年に一度おじいちゃんに会うため…」と答える。思わず涙ぐむ鈴子、「ご来店、有難うございます」と、老婆に感謝の言葉を掛ける。すると、老婆の打った一発の玉がチャッカーに入り、見事にデジタルが揃う。従業員一同、「バンザイ、バンザイ」と祝福する中、憮然とした表情で俊輔は店を去る…。」
 
 
 
第3話の裏の主人公は、間違いなく元・主任の松岡でしょう。俊輔の引き抜き工作にそそのかされて、条件の良い大型店舗に鞍替えした松岡でしたが、長年勤め上げた飛鳥球殿への思い入れは強く、店のピンチを彼なりに救おうとする姿が、実に意地らしいです。 また、老婆を好演した槇ひろ子さんの存在感もタップリでした。
 
 
また、随所に登場するキーワードが、「客は、勝つために店にやって来る」という言葉です。至極当たり前の事ではありますが、例えば藤堂の「今の客は全てパチプロ気取りで、勝つ事しか考えない。人情に訴えるだけの古臭い店には、見向きもしない」という言葉。そういった客の姿勢も、飛鳥球殿のような小店を衰退させる遠因になっていた事を、改めて考えさせられました。パチンコは、本来庶民のささやかな娯楽だった事を、爆裂CR機の台頭などによって、ファン自身が見失っていたのかもしれません。
 
 
第3話で登場する台…鈴子が駅前ライバル店(フレスコ)で打った台「CRサーカス3」(奥村・権利物、1995年)
 
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ちなみに、ドラマの中では「空中ブランコリーチ」から、見事に「SSS」の確変絵柄で大当りしています。
 
 
さて、続編はいつ作ろうかな…
 
ほいでは。

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